2020/05/31
かやはら行政書士ブログ 第66回 行政書士と職務上請求②
前回の続きです。
行政書士は、「職務上」必要な場合は、本人の同意なしで戸籍や住民票を請求することができますが、それには当然ルールがあります。
事例を参考に、請求できる場合と出来ない場合について説明します。
事例①相続
親が亡くなり相続が発生した相談者から、相続人が誰かを調べて「相続関係説明図」という書類を作成することを依頼されました。
相談者の親は離婚歴があり、前配偶者との間にも子がいると聞いているのですが、相談者は一度も会ったことがないとのことでした。
前配偶者との間に子がいる場合は、その子も相続人になります。
相談者は相続人です。
「相続人の中の1人」から依頼されただけですが、この場合は相談者を含めて他の相続人の戸籍や住民票を請求することができます。
行政書士は相談者からの依頼に基づいて、集めた戸籍や住民票から「相続関係説明図」という書類を作成します。
事例②不動産
とある土地を購入したい不動産屋さんが、法務局でのその土地の所有者を調べました。
そして、土地の不動産登記簿に記載された住所に「土地を買いたい」という内容で手紙を送ったのですが、そこの住所に所有者はいませんでした。
その不動産屋さんから「所有者の住所を追跡することができないか」という相談を受けました。
残念ながらこの場合は所有者の戸籍や住民票を請求することができません。
不動産屋さんは単に「土地を売ってくれないか」という交渉をしたいだけで、所有者に対して何らかの権利を持っている訳ではないからです。
次回に続きます。