かやはら行政書士ブログ 第38回 公正証書の役割④

前回の続きです。

公正証書が必要になる5つのケースのうち、4つまでをご紹介しました。

今回がラストです。

 

(5)出来れば公正証書にしたほうが良い大きい金額についての約束

公正証書の大きな特長は、「約束したお金を渡さない人に対して、比較的容易に強制執行の手続きができること」です。

言い換えれば、お金以外のものについて強制執行しやすい訳ではありません。

例えば、建物を貸す契約を公正証書で取り交わしたとします。

借りた人が家賃を払わないとき、家賃の取り立てを強制執行で行おうとすると、公正証書で契約を取り交わしたことが役に立つでしょう。

しかし、貸した建物から立ち退かせようとするときに公正証書が大きく役に立つ訳ではありません。

 

全ての契約書を公正証書にする必要があるとは思いませんし、公正証書の作成にはそれなりの手間や費用が掛かります。

 

契約の内容や相手方を考慮して、本当に必要と思われるときに公正証書をうまく活用されてはいかがでしょうか。

当事務所では公正証書の原案作成のお手伝いをさせていただいております。
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かやはら行政書士ブログ 第37回 公正証書の役割③

前回の続きです。

公正証書が必要になる5つのケースのうち、3つをご紹介しました。

今回は4つ目です。

 

(4)公正証書にした方が良い離婚協議書(未成年の子がいる場合)

未成年の子がいる夫婦の離婚では、養育費の問題を避けることができません。

夫婦の一方が、親権者となる他方に一括で養育費を全額渡すことができれば良いのですが、なかなかそうはいきません。

結局離婚が成立した後も、長期間に渡って養育費のやり取りが生じます。

養育費を支払う側が離婚時の約束をしっかり守ってくれれば全く問題ないのですが、中には約束を守らずに養育費の未払いをする人もいます。

そういう人に養育費を強制的に支払わせようとするとき、公正証書が役に立ちます。

 

約束をしたにも関わらずお金を払わない人から強制的にお金を取り立てるには、裁判をしたり大変な手間がかかります。

ですが公正証書で約束すると、条件はありますがお金の強制的な取り立てを比較的軽い負担で進めることができます。

 

また令和2年4月から、約束通りお金を払わない人に対する強制的な取り立ての仕組みがより便利になります。

 

そして、このような仕組みがあること自体が養育費の未払いを防ぐ抑止力にもなります。

 

もう少し続きますが次回にします。

かやはら行政書士ブログ 第36回 公正証書の役割②

前回の続きです。

公正証書が必要になる時とはどんな場面でしょうか。

5つのケースについて説明していきます。

 

(1)必ず公正証書にしなければならない任意後見契約

このブログをご覧の皆様は「任意後見契約」という言葉をご存じでしょうか。

新聞等の認知症や介護関連の記事の中で見かけることがあります。

詳しい説明は別の機会に設けたいと思いますが、認知症等により判断力が落ちた時に、自分に代わってお金の管理をしたりすることを誰かにお願いする契約のことです。

この契約書は公正証書で作らなければなりません。

法律でそう決まっているからです。

 

(2)公正証書でも普通の契約書でもどちらでもよい定期借家契約

普通の借家では、賃貸契約の解除と退去を大家さんから借主にお願いするのはなかなか大変です。

これは普通の賃貸契約では借主が保護されているからです。

これに対して「定期借家契約」では、契約書に記載された一定の期間が経過したら借主は必ず退去しなければなりません。

この定期借家契約は公正証書等の書面によってされなければなりません。

「公正証書等」とあります通り、公正証書でなくても大丈夫です。

 

(3)公正証書にした方が後で便利な遺言

遺言の作り方は法律で決まっています。

手書きで遺言書を作ることもできますが、公正証書で作ることもできます。

但し、手書きに比べて手間がかかりますしお金もかかります。

ですが、遺言書を公正証書で作ると後でメリットがあります。

これについて詳しく説明すると長くなってしまうので、別の機会を設けたいと思います。

 

残り2つについては次回にします。

かやはら行政書士ブログ 第35回 公正証書の役割①

今回から、公正証書について説明します。

 

このブログをご覧の皆様は「公証役場」をご存じでしょうか。

聞いたことならあるという方もいるでしょうし、存在自体を知らない方もいるかもしれません。

いずれにしても日常生活を送っていく中でほとんど利用することはないでしょう。

 

「公証役場」には「公証人」がいます。

公証人は元裁判官や元検察官など、長い間法律関係の仕事をしていた人から法務大臣によって任命されます。

公証人は法律や法律上の様々な紛争の解決に豊富な経験を持っています。

 

その公証役場にいる公証人にお願いして作ってもらう法律が関係する文書、これを「公正証書」と言います。

 

では、この公正証書を必要とする時とはどんな時でしょうか。

今後もしかしたら公正証書が必要になることがあるかもしれません。

次回からその具体例について説明していきます。

かやはら行政書士ブログ 第34回 相続と戸籍の調査⑤

前回の続きです。

前回は、被相続人の「生まれてから亡くなるまでの戸籍を集めた」ことにより配偶者と子の有無が明らかになる、ということまで説明しました。

 

今回は、子がいる場合についてもう少し説明します。

子が親、つまり被相続人の戸籍に記載されている場合は、子が生存している、又は死亡しているかがすぐ分かります。

また、子が結婚して親の戸籍から離れた場合は、親の戸籍を離れた後の戸籍を調べることで子が生存しているか、又は死亡しているかが分かります。

 

生存している子は相続人になることができます。

言い換えると親よりも先に死亡した子は、相続人になることできません。

ですが、先に死亡した子にさらに子(被相続人にとっては孫)がいる場合、その子が相続人になります。

これを「代襲(だいしゅう)」と言います。

さらに、その孫が被相続人より先に死亡している場合で子(被相続人にとってはひ孫)がいる場合、そのひ孫が相続人になります。

 

養子も実子と同様に相続人になります。

 

相続人としての子がいない場合は、親又は兄弟姉妹が相続人になります。

この辺りについては、本ブログの「第18回」及び「第19回」で詳しく説明しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。

 

兄弟姉妹が相続人の場合、戸籍に記載された「父」又は「母」どちらか一方が被相続人の父又は母と一致すれば兄弟姉妹です。

被相続人の両親に離婚経験がある場合は、父又は母違いの兄弟姉妹がいる可能性があります。

兄弟姉妹が相続人となる場合、調査対象が多くなる場合があります。

戸籍をよく読み込んで調査漏れがないようにしましょう。

 

以上です。

いかがでしたでしょうか。

当事務所では、相続人の調査を含めて遺産分割協議書を作成する為の相続に関する業務も承っております。

お気軽にご相談ください。

かやはら行政書士ブログ 第33回 相続と戸籍の調査④

前回の続きです。

前回は、戸籍を集める時の4つの「大変なケース」について説明しました。

 

今回は、被相続人(亡くなった方のこと)の「生まれてから亡くなるまでの戸籍を集め」が終了した後、何をするかについて説明します。

 

「生まれてから亡くなるまでの戸籍を集めた」ことにより、被相続人について以下のことが分かります。

(1)配偶者の有無

(2)子の有無

 

(1)については被相続人が亡くなった時の配偶者の有無です。

過去に離婚した元配偶者がいても、その人は相続人になりません。

また、離婚はしていませんが被相続人より先に亡くなっている、つまり死別の配偶者がいてもその人は相続人になりません。

被相続人が亡くなった時に婚姻関係にあり(結婚していて)、生きている配偶者は相続人です。

(2)については、被相続人の子は相続人になります。

離婚経験して子の親権が元配偶者にあり長い間連絡を取っていない、ということがあっても被相続人の子であることに変わりはないので相続人です。

また、結婚していない男女の間に生まれた子(非嫡出子)であっても被相続人の子は相続人になります(男性は認知すれば親子になります)。

いずれにしても、被相続人の「生まれてから亡くなるまでの戸籍」の中で、父または母として被相続人の名前が書かれている子がいれば、その子は相続人になります

 

子がいる場合について、もう少し詳しく説明します。

ですが、それは次回にします。