2019/09/10
前回の続きです。
遺言を書いたほうが良い場合とはどんなケースでしょう。
ケース④ (男性のみ)認知していない子がいる。
結婚をしていない男女の間に生まれた子供の母親は、一般的には子を産んだ女性です。
(医療の進歩によってそうとは言えないケースも増えてきましたが)
では父親はどうでしょうか。
父親はその子を「認知」することで法律上の親子関係が生じます。
反対に父親が認知しないと、父親と子の間に法律上の親子関係はなく、子の戸籍の父親の欄は空欄のままです。
この「認知」を遺言でも行うことができます。
遺言で認知を行えば親子関係が生じますので、自分の財産を子として相続させることができます。
血のつながりはあっても法律上の親子関係がない状態を最後に変えたいとお考えの方は、遺言を検討してもよいかもしれません。
ケース⑤ 相続人が誰もいない。
本当に相続人が誰もいないかどうかは戸籍を調べないと分からないものですが、調べた上で誰も相続人がいない方は遺言を検討してみてはいかがでしょうか。
相続人が誰もいない人の遺産は国のものになります。
国のものになることで世の中の役に立つことがあるかもしれませんが、ご自身の意思で個人や団体に遺産を遺すのもよいかもしれません。
この場合「●●に自分の財産を差し上げます。」だけでなく「それを実行する人として●●さんを指名します」と書いておくことも大切なことです。
ケース⑥ 相続人以外に、自分の財産を贈りたい人がいる。
ケース⑤と異なり相続人はいるが、相続人ではない人に遺産を遺したいとお考えの方は遺言書を書かなければなりません。
遺言書がなければ遺産は必ず相続人に相続されるからです。
また、相続人の中に特に多く遺産を遺したい人がいる場合も遺言書を書かなければなりません。
遺言書がない場合、遺産の分割は相続人間の話し合いで決まります。
相続人たちの話し合いで決まる以上、望みどおりに分割されるとは限らないからです。
※ここでも「遺留分」という権利が関係しますが、ここではその説明は省きます。
もう1回だけ続きます。次回は「遺言④」です。