2020/05/01
かやはら行政書士ブログ 第61回 建物賃貸借契約のトラブル(退去してくれない)②
今回も第59回に引き続き、建物賃貸借契約のトラブルについて以前相談を受けたある事例を参考にして説明します。
相談者のAさんは貸家の貸主で、借主のBさんが契約違反をした為、ある日を期限と定めて退去することになったのですが、Bさんは退去せず、そのことについて何も連絡がない、ということでした。
私は先ずAさんに落ち着いた対応をしなければならない、と伝えました。
また、物理的に退去を強制させるような行動を取らないように、とも伝えました。
その後、Aさんには具体的な行動として、以下のことを伝えました。
(1)先ずはBさんと連絡を取る。訪問でも電話でもどちらでもよい。
訪問でも電話でも、話をすることができたら感情を抑えて冷静に対応する。
また、いつ、誰とどんな内容の話をしたかについてメモを残しておく。
もしその場で何らかの合意が出来れば、それをすぐに書面にしてBさんの署名と捺印を取る。
連絡を取る時間帯にも注意する。夜中や早朝は避ける。
(2)訪問や電話で連絡が取れない場合は、手紙を送る。この段階では普通郵便でよい。
手紙を書いて、直接Bさんのポストに入れても良い。
ただし、手紙をドアや窓ガラスに貼り付けたりすることはしない。
1回で反応がなくても、もう1、2度は通常の手紙で対応する。
(3)手紙にも何も反応がない場合は、内容証明郵便を利用する。
内容証明郵便についての説明はまた別の機会とさせていただきます。
内容については、基本的には手紙ですのでどんな内容にするかについて決まりはありません。
ただし、(1)から(2)の流れで手紙を書く訳ですから
1・やってほしいこと
2・上記1に対する期限
3・上記2の期限内に、上記1で求めたことをしなかった場合、どのようなことをしようとしているか
少なくとも以上の3つについて書いた方が良い。
(4)ここまでやったにも関わらずBさんから何も反応が得られない場合、Aさんが出来ることはここまでではないかと思います。
以上のことを伝えました。
尚、これ以上のことを行うには、裁判所の利用を検討しなければなりません。
その場合、弁護士に相談されることをお勧めする、とも伝えました。
住まいとしての建物賃貸借契約は、トラブルになると解決が難しくなります。
そうならない為にも契約時の審査や、入居後の管理をしっかり行わなければなりません。
以上です。