かやはら行政書士ブログ 第221回 改めて農業法人化について

の 農業②

当事務所では「農業法人化」の手続を取り扱っております。

偶然ですが、最近農業法人化についての問い合わせが続きました。

しかも、相談者は埼玉県の方ではありませんでした(関東地方ですらありませんでした)。

それだけ農業法人化について発信している行政書士が少ないのだろうと思いました。

 

そこで改めて「農業法人化」の基本的なことについて説明します。

 

先ず、「農業法人化」とは何でしょうか?

簡単に説明すると

(1)農地を所有できる条件が揃った法人を設立する。

(2)その法人に農地の利用する権限(所有権や賃借権)を与える。

以上の2点となります。

 

「意外と簡単だ」と思うかもしれません。

細かい所を説明すればいろいろとありますが、先ずはこのシンプルな2点を覚えていただければ「農業法人化」を理解しやすくなるのではないかと思います。

の 農業⑤

次に重要なことは「現役の農家が必要」ということです。

そうではないケースもありますが、基本的にはそうだとお考え下さい。

どこに必要かというと「法人を設立する人」と「法人の役員になる人」です。

これも細かい所を説明すればいろいろありますが、農業の素人だけでは農業の法人化はできない、という点だけでも覚えれば良いと思います。

 

最後に、「地元の市町村役場の農業委員会に相談しよう」ということです。

先程、『その法人に農地の利用する権限(所有権や賃借権)を与える。』と書きましたが、それを行うには原則として地元の市町村役場の農業委員会の許可が必要になります。

許可を受けるには書類を作成して提出しなければなりません。

結果として許可にならないこともあり得ます。

手間をかけて許可に関する書類を作成し、その結果不許可になったら大変です。

ですので、事前に地元の市町村役場の農業委員会とよく相談しながら手続きを進めた方が手続きをスムーズに進められると思います。

 

今回は「農業法人化」の基本的なことについて説明しました。

かやはら行政書士事務所では、農業法人化に関する手続きの代行を承っております。

 

お気軽にご相談下さい。
おしまい①
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かやはら行政書士ブログ 第188回 土地と役所の手続

と 土地

「土地」についての「手続き」というと、売る・買う・借りる・貸す等があります。

しかし、今回はその他の手続きの概要について説明します。

「土地」について【売る・買う・借りる・貸す】以外にどんな手続きがあるのでしょうか。

 

(1)市街化調整区域

このブログでも何度か説明していますが、日本国内の土地は地域毎に大きく2種類に分けることができます。

その内の1つが「市街化調整区域」で、要するに「あまり建物を建てさせない地域」です。

「あまり建てさせない」のであって、絶対に建てさせない訳ではありません。

市街化調整区域で建物を建てようとすると手続きが必要になります。

担当する役所は、その土地がある市町村役場です。

市町村役場では、市街化調整区域に建物を建てることができる場合の条件を定めています(法律で定まっている条件もあります。これは全国共通ですが、それに加えて市町村・都道府県の条例で独自に定めている条件もあります)。

それぞれの市町村役場が指定する書式、及び各市町村役場が定める添付の資料を提出し、

「この土地は市街化調整区域ですが、●●という建物を建てたいので、またその為の条件を満たしていることを証明する書類を提出しますので許可して下さい。」という申請をします。

申請してから許可になるまで時間がかかることが多いです。

各市町村によって異なると思いますが、少なくとも1~2ヶ月はかかると思っておいた方が良いでしょう。

の 農業①

(2)農地

農地は「農地の持ち主が農地として利用する」以外のことをしようとすると手続きが必要になります。

手続をする役所は、やはりその土地がある市町村役場です。

農地がある場所が「市街化区域」なのか「市街化調整区域」なのかによって手続きは異なります。

農地が「市街化区域(建物を積極的に建ててほしい地域)」にある場合、手続きは比較的簡易なものです。

しかし農地が上記(1)にある「市街化調整区域」にある場合、手続きは複雑になり、時間がかかります。

 

今回は土地の手続の概要なので、また各市町村によって手続きの詳細が異なるので、ここまでにします。

 

かやはら行政書士事務所では、土地の手続についての書類の作成代行、及びその相談を承ります。

お気軽にお問い合わせ下さい。
おしまい①

かやはら行政書士ブログ 第180回 農地を買える会社③

の 農業③

農地を買ったり、借りたりすることができる法人について説明しています。

前回は、農地を買う(借りる)ことができる法人の条件について説明しました。

今回はその続きです。

少し長くなりそうなので3回に分けて説明します。

今回はその第3回目です。

 

(4)役員

役員の過半数が農業常時従事者でなければなりません。

農業常時従事者とは、年間150日以上農業に従事している者です。

この場合の「農業」の範囲は広く、実際の農作業をしていなくても農業に関する企画管理労務も含みます。

 

また、役員の中で1名以上は農作業に従事していなければなりません。

農作業とは、ほぼ文字通りの意味で、農業に直接必要な作業のことです。

また、従事とは年間60日以上です。

 

そして、役員の過半数は出資者でもある必要があります。

株式会社では出資者が役員になるとは限りませんが、農地を買ったり借りたりできる法人の場合は制限があります。

言い換えると、出資者の人数によって取締役の人数も制限を受けます。

出資者が1人の場合は、取締役は1人だけです。

出資者が2人の場合は、取締役は3人までです。

の 農業④

(5)売上

これは法人が農地を買ったり借りたりした後の話になりますが、農地を買ったり借りたりすることができる法人は、その売上の過半数が農業によるものでなければなりません。

この場合の農業の売上には単に農作物の販売による売上だけではなく、例えば作った農作物を使用した加工品や飲食店の売上も含みます。

株式① 

以上が農地を買ったり借りたりすることができる法人の条件です。

 

しかし、この条件を満たしさえすれば良いという訳ではありません。

現在個人として農業を営んでいる方が法人化を検討する場合、地元の自治体の農業委員会に事前に相談した方が良いでしょう。

 

かやはら行政書士事務所では、農業の法人化の支援も承っております。

お気軽にご相談下さい。
おしまい①

かやはら行政書士ブログ 第179回 農地を買える会社②

の 農業②

前回から農地を買ったり、借りたりすることができる法人について説明しています。

前回は、

■農地は簡単に買う(借りる)ことができないこと

■何故なら、国が「農地を保護したい」と思っているから

■その中でも「市街化調整区域」と呼ばれている地域では、農地を買うには市町村の許可が必要

以上のことについて説明しました。

今回から、農地を買う(借りる)ことができる法人の説明をします。

少し長くなりそうなので3回に分けて説明します。

今回はその第2回目です。

 

農地を買う(借りる)ことができる法人とは、どんな条件を満たせばよいでしょうか。

 

その前に、先ず個人の場合について簡単に説明します。

個人の場合は、現役の農家の方であれば絶対にとは言い切れませんが、大丈夫でしょう。

また、現役の農家でなくても市町村役場に「この人なら農業を安定して継続的にやってくれる」と思ってもらえれば許可してくれます。

どうすればそう思ってもらえるかについての説明は、ここでは省略します。

 

では、農地を買う(借りる)ことができる法人の条件について説明します。

 

(1)法人の目的

法人の目的に農業に関することが記載していなくてはなりません。

具体的に言うと、「農作物の生産」「農作物の加工及び販売」等です。

か 株式②

(2)株式

株式は「非公開」ではければなりません。

これは多くの法人の株式は譲渡制限付となっているので大丈夫でしょう。

 

(3)株主

株式の議決権の過半数を『農業関係者』が持っていなければなりません。

つまり株式の過半数を『農業関係者』が持っていなければなりません。

『農業関係者』とは、現役の農家や農地を提供する人などです。

分かりやすく言うと「出資の過半数は現役の農家でなければならない」ということです。

 

次回に続きます。
つづく

かやはら行政書士ブログ 第178回 農地を買える会社①

の 農業①

とても大きい土地を買う様な特別な場合を除けば、私達は土地を自由に買うことができます(但し、お金がたくさん必要ですが)。

しかし、農地はそういう訳にはいきません。

農地を買う場合、役所への届出や許可が必要になります。

何故そうなっているかというと、「農地を保護したい」と国が思っているからです。

農地を買った人が農地を住宅地にしたり、農業を全くやったことがない人や企業が農地を利用することが勝手に出来ないようになっています。

今回から法人が農地を買う、又は借りる場合の条件について説明します。

少し長くなりそうなので3回に分けて説明します。

今回はその第1回目です。

 

同じ農地でも建物がたくさん建っている地域、「市街化区域」と呼ばれている地域の農地は、比較的簡単に買うことができます。

これは「市街化区域」と呼ばれている地域では、建物を建てたり人が住んだりすることを土地利用の主な目的としている地域で、農地を保護しようとする優先度がそれ程高くないからです

何もしなくてよい訳ではありませんが、農地がある場所の市町村役場に「届出」をすれば大丈夫です。

契約①

しかし、あまり建物が経ってない地域、「市街化調整区域」と呼ばれている地域ではそうもいきません。

何故ならこの「市街化調整区域」は、建物を建てることを抑制し農地を保護しようとする優先度が高いからです。

農地がある場所の市町村役場の「許可」を得なければなりません。

言い換えると「許可」が出なければ農地を買うことができません。

 

では、「許可」を得る為にはどのような条件をクリアしなければならないのでしょうか。

 

次回に続きます。
つづく

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